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夢見るたまご 6

春も中盤の今日この頃、ポケモン達が日向ぼっこの為に窓際に陣取る事も増えてきた。
そんな中、カーテンに包まって遊んでいる手のりサイズのお人形みたいに可愛い二匹の生き物はチマとチキ。
訳あって親のいないポケモンの卵に、オレと、パートナーのマクワそれぞれの遺伝子が融合して生まれた
ドラゴンポケモンと人間のハーフ。
ポケモンの研究機関に許可を貰ってその二匹をオレの家で育てている。
オレとマクワは結婚して今はシュートシティに建てた庭付きの家に引っ越し、今はそこで二匹を育てているのだ。
マクワに似ている方が、ドラパルトのハーフで名前はチマ。
オレ様に似ている方がオンバーンのハーフでチキ。
“ち”いさい“マ”クワのチマと、“ち”いさい“キ”バナのチキ。
どちらもオレが名付けた。
今日もチマとチキの元気な日常を記録していこう。

4月13日
居間でテレビをぼんやり見ているとチマとチキが遊んで欲しそうに寄ってきたので、
お菓子の空き箱に絨毯みたいにハンカチなどを敷いて、ミニチュアの家具やおもちゃを使ってお店屋さんごっこをした。
ボタンや羽を貨幣に見立ててお買い物ごっこをしたり、店員役とお客さんの役を交代しながら遊んだ。
「いらっしゃいませー」
「きゅん!(おじゃまします)」
「ぎゃう!(どうぞごゆっくり)」
「ありがとうございます〜」
なんて会話をしながら和気あいあいとした雰囲気で楽しんだ。

4月14日
朝から雨が降っているので、部屋の中でボール遊びをする事にしたようだ。
チマはボールを投げたりキャッチしたりするのが大好きな子なので、
床にバウンドさせたり壁に投げたりして楽しそうにしている。
一方チキはボールを投げるより追いかける方が好きらしい。
コロコロと転がしては追い掛けて拾ってきてを繰り返して遊んでいた。

4月15日
天気が良いので以前買っておいた菜園用の土を使って庭いじりをする。
野菜作りは初めてだけど、簡単なものならなんとかなるだろう。
早速土を庭の土に馴染ませる。
チマとチキが興味津々で眺めていたので二匹に種を渡し、土に埋めてもらった。
それから二匹の手で扱える小さな容器に水を入れたものを渡し、水やり体験もさせた。
野菜が生えてくるのが楽しみだな。

4月16日
チマとチキに絵本を読んであげた。
タイトルは『まどろみのもり』。
むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんがいました……という出だしで、
とある森のそばの村人が朝も昼も夜もずっと眠くなる不思議なお話だ。
森で迷子になっていた星を空にいる月のもとへ帰してあげると、
夜の力が空に戻り、皆が普段通りの生活に戻っていく。
読み終わる頃には二匹はうとうとしていたので籠ベッドに寝かせてやる。
本の外の世界もまどろみだな。

4月17日
マクワの実家から送られてきたりんごのケーキを皆で食べた。
とても甘くて美味しかった。
チマとチキは初めての味に興奮していた。
うんうん、また食べたいな。
その後、りんごの匂いがうちにいるタルップルと同じ事に気付いた二匹は
タルップルの背中に張り付いてスリスリと頬擦りしていた。

4月18日
蚤の市でミニチュアサイズの小さな小さな絵本が売っていた。
精巧な作りで、普通の本のようにちゃんと読める。
チマとチキのお土産に何冊か買って帰ると興味津々で眺めていた。
「次は何の絵があるかな?」
「きゅん?(これはなに?)」
「これは家だよ、こっちが椅子、これがテーブルで……」
なんて説明しながらページをめくっていく。
この絵が何なのかとか、どんな物語だとかを一緒に想像するのが楽しいみたいで夢中になっている。
チマとチキにはもっと大きくなってから文字を教えてあげようと思っているけど、
こういうのも良い勉強になるかもな。

4月19日
今日はチマとチキを連れてマクロコスモスの研究所へ行った。
健康診断を受ける為だ。
普通のポケモンはポケモンセンターに行くが、二匹は人間とポケモンのハーフなので、
一般人の目に触れない施設で受診する決まりなのだ。
最近は研究員さんらの顔も覚えだし、懐いてくれているようで安心した。
相変わらず体重測定にはキッチンスケールを使われているのが可愛い。
 
4月20日
今日のお昼ご飯はチマとチキの好物を作った。
オムライスとコーンスープだ。
二匹共目を輝かせて喜んでいる。
ケチャップで星やハートなど模様を描いてやるとキャッキャと笑ってはしゃいでいる。
そして声を揃えていただきますをすると、二匹のスプーンを持つ手が一斉に動いた。
よっぽど気に入ったんだろう、幸せそうな顔で頬張りながら二匹の尻尾がご機嫌そうに揺れている。
その様子を見ているだけでオレまで幸せな気分になった。

4月21日
チマとチキがお昼寝をしている間に、庭の家庭菜園に植えたミニトマトの苗に支柱を立てた。
まだ小さいが、これからぐんと育つだろう。
しばらくして二匹が目を覚まし、支柱を急成長した植物の茎と勘違いしていた。
「きゅー!(すごい!伸びてる!)」
「ぎゃうー!!(すごーい!!)
「違うぞこれは野菜の支えなんだぞ〜」と言い聞かせると、今度は興味を示して触りたがった。
好奇心旺盛なのは良い事だが味を確かめたがり支柱を舐めようとしたのでやめさせた。

4月22日
ファンからのプレゼントに貝殻をモチーフにしたクッキーの詰め合わせがあった。
お皿に並べて図鑑に載っている貝殻の写真から似ているクッキーをチマとチキに選んでもらった。
写真とクッキーを見比べる遊びが楽しかったらしく、二匹は何度も写真を眺めている。
それからおやつタイムの後にお絵描き帳に貝殻の絵を描いて遊んでいた。

4月23日
チマがきゅるる〜んとお歌を歌っているのをチキが手拍子で合いの手をとっている。
その光景が可愛くて動画に撮影した。
後で見返していると二匹はスマホの画面に映る自分達の姿を首を傾げながら不思議そうに見ていた。
どうした?と聞くときゃうきゃう、きゅるる〜んとしきりに興味を示している。
説明してやると二匹はコクコク頷いていた。

4月24日
今日はマクワとデートをした。
最近オープンしたカフェでランチを食べたり、公園を散歩したりと充実した時間を過ごした。
途中で寄ったブティックではお互い服を選び合ったりして夕方まで遊んだ。
研究所に預けていたチマとチキを迎えに行くと二匹は研究員さんにレクチャーを受けて、
他の地方でオリガミと呼ばれているカラフルな紙でかわいいメダルを折っていた。
折り終わったものをオレ達に見せてくれたので「上手だね」「キレイに出来たな」と褒めてやると
二匹は照れくさそうにはにかんでいた。
家に帰って書斎から取り出したフォトフレームに二人と二匹の共同合作でメダルを散りばめるように飾った。

4月25日
朝から晴れ渡っていて気持ちの良い天気だったのでマクワとチマとチキと一緒に庭の手入れをして、
芝生に水を撒いたり雑草を抜き取ったりした。
二匹は初めての作業に興奮気味だった。
途中、スコップで土を掘り返した際に、何かキラキラしたものが出てきた。
なんだろうと拾い上げるとそれはとても綺麗な石だった。
宝石だろうか?
マクワが鉱石に詳しいので聞いてみたら、それはなんと水晶だった。
ガラルには地中に様々な生成物があり、鉱石が沢山ある地下洞窟もあると聞く。
これもまたそういう所から産まれて、長い時をかけて地表にあらわれたものの一つだろう。
チマとチキの手に丁度収まるくらいの小さな、だけど輝く水晶。
「オマエ達が掘り当てたものだぞ、これはオマエ達の宝物だ」
と言うと、チマとチキは大事そうにそれを握りしめていた。

4月26日
今日はチマとチキを連れて空飛ぶタクシーに乗ってシュートシティの外れにある牧場に行った。
一般の施設なのでチマとチキは一般人の目に触れないように基本キャリーの中からこっそりだけど、
キャリーの窓から一面の花々を眺めてはしゃいでいた。
花畑の中を自由に走り回るパルスワンが珍しいのか、チマとチキはずっと目で追っている。
一巡りして、施設内のお土産屋でミルクをふんだんに使ったパウンドケーキというものを買って帰った。
家でおやつに出すとチマとチキは目を輝かせて美味しそうに食べていた。
帰りの車内でも窓の外を見て、あれは何だろう、これ何だろう?と気になるものがいっぱいあったみたいで、
終始興奮状態だった。
また連れて行ってあげよう。

4月27日
注文していたフカフカのドームベッドが届いた。
早速居間のキャビネットの上に設置すると、二匹とも興味津々で匂いを嗅いだり中に入ってみたりしている。
中でゴロンゴロン転がったりする様子をオレもマクワも微笑ましく見守った。
星形やボール型のぬいぐるみも入れてあげると、二匹共嬉しそうに抱き締めていた。

4月28日
今日の夕食はカツ丼にした。
違う地方の料理なのでマクワとオレにとっても珍しいものだ。
チマとチキのサイズに合うように小鉢で作った小さなカツ丼は好評で、二匹は一生懸命頬張って食べた。
卵でとじたご飯をスプーンですくう姿がとても愛くるしい。
「おいしい!」と口の周りを汚しながら頬張る姿を見るとこっちまで幸せな気分になった。

4月29日
マクロコスモス研究所から薬品を頂いた。
ポケモン用の保湿クリームだ。
この前健康診断をした時に、乾燥肌が少し見られると指摘されたので、
オレ達人間用ではなくこちらの薬を使う事になったのだ。
蓋を開けると蜂蜜の甘い香りがした。
二匹は鼻先を近づけるとくんくんとその香りを楽しんでいる。
それから二匹は顔を見合わせてニコッと笑うとペロリと舌を出して舐め始めた。
「うわぁ!コラ待て!ダメだって!!」
慌てて止めるが製品説明を読むと蜜蝋がメインで食べても害はないようだ。
試しにオレも舐めてみると味は無く、チマとチキもおやつじゃないと判断したらしくそれ以上舐める気配はない。
こうするものだぞ、と使い方を実践してみせると二匹も手に取ってぬりぬりし始めた。
ハンドクリームを塗る体験が楽しかったようでお互いの手に塗りっこしていて可愛い。
オレにも塗ってくれるようなので手を差し出すと、
二人がかりでマッサージみたいにペタペタ塗り塗りとしてくれて微笑ましい光景だった。

4月30日
動画サイトのおすすめに上がってきたパン作り講座を眺めていたら、
側で見ていたチマとチキが手近にあったタオルで生地を揉む真似をしている。
可愛いすぎてロトムに撮影してもらいながら、
捏ねる時は「こねこね」って言うんだぞ言うと、
二匹はこねこね言いながら一生懸命にタオルをこねこねしていた。
今度本物のパン作りもしような。

今回はこんな所かな。
ちなみに今日はおやつに初めてのフルーツパンチを出してみた。
二匹に食べやすいサイズで小鉢に盛ったミニチュアみたいに可愛いフルーツパンチ。
初めて食べるものに最初は警戒していたが、オレ達の様子を見て口にすると二匹は目を丸くして驚いた後、
きゃっきゃっとはしゃいで喜んでいた。
炭酸の感触をしゅわしゅわと表現する事を教えたら、一口食べる度にしゅわしゅわと言っていて楽しそうだ。

また近いうちに報告する事もあるだろう、それじゃあまたな。